限られた時間での上達方法をずっと考えている

テニスを始めて6年が経った。そろそろもう一段階うまくなりたいが、若くないのでそんなにゆっくりもしていられない。昨年は特にスランプに悩んでいて、以前のようにサーブが打てなくなって苦しんでいた。

当時、私はテニススクールAに週に2コマレッスンを受けに行っていたのだが、ここに漫然と通い続けても、そりゃあゆっくりは成長するかもしれないがその成長はとてもゆっくりだろう。物事は定期的に上達を実感する瞬間がないとうまくやる気を持続できない。もっと納得するようなコーチングが受けられないかと、何度かスクールAのコーチと会話するも、どうもしっくりこない。なんならそのコーチには「ゆかりんさんは上達を焦り過ぎている。もっとじっくり取り組まないと」と思われたことだろう。じゃあ、単純に受けるレッスンのコマ数を増やせばいいかというと、三年前ぐらいにテニスをやり過ぎて免疫力が低下し、ひどい湿疹に悩まされたことがあるので、単に増やせばいいってものでもないのだ。

そんなときにテニスの実力がまったく発揮できないようなショックなことが続き、何か打開せねばと考えた末にスクールBで体験レッスンを受けることにした。これまでもいろいろなスクールの体験を受けてきたが、スクールBはそれまでのスクールとは大きく違う点があった。

  • スクールA → 1クラスMAX 14 名制、大手チェーンでコーチの入れ替わりがあり20代の若手のコーチに指導を受けることもある、問題行動が多いレッスン生に注意しない
  • スクールB → 1クラスMAX 6 名制、単独経営で、コーチはベテラン揃い、問題行動が多いレッスン生は出禁にする

スクールBの体験レッスンはとても良く、ぜひここでやりたいと思ったのだが、スクールBは少し遠い上に定員が少ないためなかなか希望のクラスが取れない。そのため、スクールA、スクールBそれぞれ週一回とすることにした。

スクールBでいくつかアドバイスをもらい、レッスンのない日もコツコツとトレーニングを重ねていたが、更にある時、スクールBで私が打っているのを見ていたコーチが「ゆかりんさん、ちょっとこっちのラケットで打ってみてごらん」と言われて渡されたラケットが実に良かった。それまで私は300gの重さのラケットを使っていたのだが、そこに至るまでに毎年10gずつ重さを上げていったという経緯がある。パワーのある人に打ち負けないためにはラケットを重くするしかないと思い込んでいた。それがあだとなり、ラケットワークが悪くなっていた。

コーチとも相談してスクールBにて試打させてもらったラケットと同モデル(265g)を新調。ベルギーのスノワートというメーカーのラケットで、日本製のカーボンが使われていてフレームのどこを切っても断面が異なり、スイートスポット(ラケット面で綺麗に当たる範囲)が広いのが特徴である。

昨日は、スクールAで「ゆかりんさん、ラケットワークが良くなりましたね」と褒められた。褒められたのは本当に久しぶりである。

かようにして、私のテニス人生には活路が開け、復活の兆しが見えてきたのであった。

そもそもは長く続くスランプと、その時のショックな出来事がきっかけだったが、そこで思い切って違う場所に出かけていく勇気が持てて良かった。人生は有限であり、私としては「上達にはある程度の長い時間の経過が必要」という指導に納得がいかなかった、その気持ちを汲み上げてくれるコーチに出会えて良かったなあと思っている。