実際に駒を置いたほうがいい

今年から始めた将棋だが、実際に人と指す時間はほとんど持てていない。本当は人と指すのが一番いいのだろうが、そんな機会は月に一度あるかないかだ。ひと月に一度、将棋を指しに公民館行くと、じいさまがたから「もっと勉強してこないか」と言われるが、「すみません。仕事してるもんでなかなか時間が取れないんです」と答えるしかない。

一人で勉強するのに一手詰、三手詰などの本を解いていくということもやってみたが、詰将棋の本は盤の一部だけが掲載され、パズルを解くような感じで解くのがどうにも成長している感じがしない。盤面全体に駒が並び、ほかの駒の位置なども気にしながら一番気にしないといけない駒に意識を絞り込んで頭を使う。そういうことをしないと「お!これがあの『実際に良く出てくる局面』だ!」などと気づくことができず、やはり、「子供のころにおじいさんの(兄ちゃんの)相手をさせられた」だとか「学校の将棋部で放課後に指していた」だとかのほうが初学者には無理なく将棋に触れる環境が持てていいんだろうなあと思ったりする。

とはいえ嘆いてばかりもいられないので、日々レベル毎の詰将棋の問題が出題される将棋アプリを開き、実際にその盤面と同じように駒を並べてから問題を解くほうがいいかもしれないと思いたち、夫に買ってもらった将棋盤に駒を並べてやってみている。手間からもしれないが、アプリ上でやるよりも実際の駒に触れるほうが楽しい。そうすることで一日に2問解くだけだがなんとか続いている。そうやってようやく、「はっ。これは一手詰の形だ」などとようやく本で解いていた形を思い出せることもある。

もう世の中には「将棋はオンラインでしか指したことがない」「囲碁はオンラインでしか打ったことがない」という人も多いのだろうか。きっと多いのだろう。でも私は実際に駒を触りながらでないと続かないなあと思う。

将棋は実際の駒の指ざわりを楽しんだほうがいいよ。

それで以前、SNSで知り合った人が毎日アプリで詰将棋をやっていたなあと思い出し、今もやっているかなと見に行ったらいつのまにかそのアカウントは消えていなくなっていた。寂しい。