そういうゲーム

私も気がつけば、人生の先輩と呼ばれる立ち位置になってきました。後輩のエンジニアさんや経営者さん、ワーキングママさんたちからお悩みを聞く機会も増えてきています。

昨日もそんなお悩みを聞いていたとき、ふと私が以前に書店で出会い救われたような気持ちになった一冊の絵本を思い出し、その方にもおすすめしました。 ヨシタケシンスケさんの『そういうゲーム』という絵本です。

ヨシタケシンスケさんは、子ども向けの絵本でも数多くの作品を出され、その独特の視点から多くのファンを持つ作家さんです。実は私は、それほど熱心にフォローしていたわけではありませんでした。ところが、この本を書店で見つけたときは、迷わず手に取り、そのまま購入していました。 そこには、ヨシタケさんが思いついた “人生のいくつものゲーム” が描かれていたのです。

この絵本は、大人の心の暗く、どろっとした部分までそっとすくい上げて見せてくれる内容で、その時々の心境によって読み方が変わる本だと思います。

ここでいう「ゲーム」とは、“誰か” が決めたルール。 世の中が決めたものかもしれないし、自分が生きやすくするために暫定的に作り出したものかもしれない。あるいは、ゲームだと思い込むことで、少し肩の力が抜けてニヤニヤできるようなものもあります。

一番しんどいとき、しんどい自分を「ゲーム」というフレームに入れることで、少しだけ息ができる。そんな瞬間があるのかもしれない。自分が死んだあとのことをエンディングに据えていると思われる“ゲーム”さえ出てきます。

想像ですが、本当にどうしようもないほどつらいとき、「気が楽になるわけではないけれど、これはこういうゲームなんだと思って生きていこう」と強く念じた経験がヨシタケシンスケさんにもあったのではないか。そんなことを感じさせてくれる絵本です。

一番しんどいときに読むのと、嵐が過ぎ去ったあとに読むのとでは、また違う顔を見せてくれる。そんな一冊だと思います。

※そこに居合わせて私の絵本プレゼンを聞いていた二人にも、その日のうちにこの絵本を買いたくさせる ー そんな「ゲーム」もしてみました笑。