私が通っている美容院は、男性オーナーが一人でやっている。
顧客の大半は主婦層なのだろうか。愚痴を聞くのに慣れていて、時々「僕、なんでも聞くんで。愚痴でもなんでも言っちゃってください」と言う。
私はダンナの愚痴を言うタイプではないので、そう言われると何を話せばいいのか少し迷う。そんな時は、テニススクールで出会ったちょっと個性的な人の話などをする。するとオーナーが、「えー、信じられないんやけど〜」「何それ、怖い〜」と、主婦同士のおしゃべりのようなノリで合いの手を入れてくる。
先日もそんな感じで何気ない出来事を話していたら、思いのほか強く共感されてしまった。
するとだんだん、「あれ? 確かに〇〇さんの行為はおかしいよな。これ、ちゃんと抗議したほうがいいのかな」と思い始め、帰宅中もその感情に引っ張られて、「何か行動したほうがいいのでは」とまで考えてしまった。
でも、その状態を少しおかしいと感じた私は、気持ちが落ち着くのを待つことにした。しばらくして冷静になると、「あれ、なんであんなに興奮していたんだろう」と我に返った。
その時に思ったのは、過剰な共感は感情を増幅させるということ。そして、その増幅はすごく怖いなあということ。
共感してもらうと安心するけれど、同時に冷静さを失うこともある。AIも基本的に共感が上手だ。だからこそ、気持ちよく話を聞いてもらえる反面、自分の感情が思っている以上に増幅されてしまうこともあるのかもしれない。
共感はやさしさだけど、使い方には少し注意が必要だな、と感じた。