夫の新車

前にも書いたが、夫は昨年、70歳になったのを機に仕事をリタイヤした。しかし今年からまた働き始めた。理由はいくつかある。

「男の料理教室みたいなところに行ってみたら?」と言ってみても、たぶん知らない人たちと和気あいあいと料理ができるタイプではない。人間、そう簡単に新しいことを始められるものではないのだ。

しかし、もうひとつ大きな理由があった。それは「物欲が抑えられない」ということだ。

夫はトレイルランをたしなむので、シューズを買ったり、スポーツクライミングをするのでクライミング用の道具を買ったり、年に何度かは友人と山へ出かけたりと、何かとお金がかかる。そういう「欲」は老後を長く健やかに生きるためには絶対に必要だと思うので、私もそれは良いことだと賛成した。

そうして仕事に復帰した早々、去年車検を通したばかりの車に異音がし始めた。リアシャフトか何かに問題があるのか、右折するときに気になる音がする。ディーラーなどに調べてもらったが、いまひとつ理由がはっきりしない。でも乗り続けるのには不安があるなあ。

そんなわけで、予定外に新車を買うことになった。

納車を心待ちにすること3ヶ月ほどだっただろうか。念願の新車がようやく納車された。今回の車選びで一番重視したのは、車中泊をする際に座席をフルフラットにできるかどうかだった。

納車の日、車屋さんから納車記念の写真が送られてきた↓↓↓。 (AIで人物を消したので若干不自然な写真になっております)

こんなことがあり、今回の新車購入にかかった費用を働いて得る給与で賄うには、あとどれくらい働かなければならないだろうか。そんなことを指折り数えながら、夫は今日も仕事に出かけている。

中年くらいになると、「もう欲しいものもない」「楽しいこともない」と言いながら、どこか退屈そうな目をして生きるためだけに仕事をしている人に出会うことがある。それはそれで少し寂しそうにも見える。

だから夫には、これからもしばらくはスポーツへの意欲と、それに伴う健全な物欲を持ち続けていてほしいと思う。