BLUE NOTE TOKYO

ゴールデンウイーク前に東京出張に行った折に青山のブルーノートに行った。日頃よりお世話になっている一回り年上の知人がちょっとした出来事のお詫びにということで誘ってくださった。私はブルーノートは初めてである。ブルーノートでは事前に公開されているスケジュールより公演を選び、ネットで予約する手続きが要るようで、更には軽食やディナーのコースなども選べる。

私が予約していただいたのは夜の20時半ぐらいからの公演で、待ち合わせの時間より中に入れるまでに時間があったのでブルーノートのBARで軽く呑んで時間をつぶした。

誘ってくださったかたは「今日の演目はよく分からない外人のユニットなんだ」と言う。実際にはジャズ界の巨匠ウェイン・ショーターとカルテットを組んでいた三人が、急逝したウェイン・ショーターに捧げるトリオ「CHILDREN OF THE LIGHT」を組んだというのは後で調べて分ったのだが、どうやらこのユニットはとんでもないテクニックを持ち、熱烈なファンがいたようで、席に通してもらったときにはすでに満席に近く、ファンが興奮していた。

更に誘ってくださったかたは向かって右の舞台すその席しか取れなかったこと詫びて「こんな席でごめんなさいね」と言うのだが、開演前にファンらしき人達がしきりに我々の前に立ち、舞台すそからドラムの写真を撮り、あれこれと話し込んでいる。誘ってくださったかたがその若い3人の人たちに「今日のトリオはすごいのか」「この席はもしかしてとても良い席なのか」と訊くと「まさにとてもグレイトなトリオで、そのプレイを見えるこの席は最高ですよ」と言う返事だった。

ホール係の接客も素晴らしく(多分、それも込みで観客が集中して演奏を楽しめるように配慮している)、食事のコースが始まる前にアレルギーについて確認されたので、「グルテンアレルギーです」と言うと、即座にグルテンフリーのメニューに変更してくれたりもした。

「CHILDREN OF THE LIGHT」の演奏はこれまでに私が聴いたことのないような類のジャズだった。どういったらいいのかな。陳腐な表現に聞こえるかもしれないが、宇宙のような音楽でとても大きなスケールの音楽を聴かせてくれた。

JAZZのセッションでスタンディングオベーションが起こるのを、私は初めて見た。誘ってくださったかたに訊いても、スタンディングオベーションは初めての体験だったようだ。

誘ってくださったかたは、「たまたまだったけどラッキーだったね」と仰っていたが、本当に素晴らしい夜を過ごすことができた。