とんとん拍子が終わった日

先日は関東の社員の人たちと忘年会であった。

今年の呑み会の会場は横浜にある「酒とったり」というお店だった。宴の冒頭では恒例の「社長挨拶」というのがあったので、私はこう言った。「みなさん、昨年の忘年会場の名前を憶えていますか?」と。すると案外とみんな覚えていなくて、「武蔵小杉だったよなあ」というところまでは思い出すのだが店の名前が思い出せない。私はおもむろに言った。「とんとん拍子、です」と。

なぜこのお店の名前を憶えているかというと、忘年会の前日までに営業案件がうまく決まったりして、極めつけに関東エリアの統括ができる人材に悩んでいたところ、ちょうどいい方がおられて、その方と前夜の呑みで無事に入社いただけることが決まったので、まさに「とんどん拍子」という店の名前がその時の気分にぴったりであった。

なので、岡山に帰ってきてからも「で、さあ、そのお店の名前が『とんとん拍子』だったのよ~」という一連のエピソードとして、私は何度も語ってきた。社名変更と50周年式典を控えた昨年の年の瀬に、それは社の未来へのとても明るい材料だったのだ。

ともかくそんな話で今年の忘年会の「社長挨拶」を終えた。

隣に座る課長の人が「乾杯の発声」の担当だ。

「えー。『とんとん拍子』というお店は潰れてなくなりました。それではかんぱーい」

「とんとん拍子ネタ」は一年間きっちり使わせていただき、封印となってしまった。

ちなみに今年の忘年会場の「酒とったり」は飲み放題で50種類以上の日本酒が選べるということで、みんないろんな酒を試しながら大変盛り上がった。私は一杯目は「キレッキレ」というラベルがついた日本酒をいただいた。「キレッキレ」というのはサブタイトルであって、本来の酒の名前は別にあるが思い出せない。そのあと呑んだお酒も全然思い出せない。

もう、店の名前で縁起を担ぐこともできなくなったが、これからはキレッキレなブログを書いていこうと思う。