映画『ノック 終末の訪問者』が良かった

アマゾンプライムビデオで映画などを観なくなって久かったのだが、「たまには何か映像作品でも観ようかな」、先日、ふと思い立ってアマゾンプライムビデオの「マイアイテム」に入れたままだった映画『ノック 終末の訪問者』を再生した。

結論から言うと、冒頭10分でもうすっかりのめりこんでしまった。

ウェンという中国系の少女のところに、ある大男が近づいてくる。「きみの家族と仲良くなるために来たのだ」と言う。男には、もう三人、男女の仲間がいる。ウェンは危険を感じてパパ二人のいる別荘に走っていく。ウェンは魅力的なゲイカップルの幼女で、三人はおそらく夏の避暑地として森の中にあるキャビンに来ている。

謎の男女四人組は、それぞれまったく違う地域に住んでいてちゃんとした職業を持っていて、自己紹介をし、「あなたたち三人が誰か一人を殺すことで地球を滅亡から救える」、そのために自分たちは集いここに来たと言う。当然ながらウェンとパパ二人は激しく抵抗する。彼らが言っていることが正気とは思えず、何かカルト宗教を信じ込んでいるのだと感じるからだ。

そこからの双方のチームの葛藤と、静かな戦いが始まる。そして「何が真実か」ではなくて「何を信じて決断するか」ということを知りたくて一気に最後まで見入ってしまった。

この映画の長所はゲイカップル二人もウェンも魅力的なこと。なぜ彼らが選ばれたのかは分からずじまいだが、その謎はそんなに重要ではなく、選ばれた彼らがどういう決断をするかということに感情移入ができ、「自分だったらどうするか」という葛藤を一緒に味わえたこと。同時に逆の立場で彼らをどう説得できるか、ということも同時に考えさせられてしまった。三人を訪問した四人もまた、善良で必死だったから(つまり、狂信者の目をしていなかった)。

もしかしたら賛否分かれる映画かもしれないが、私は大満足。