登場人物を多くしたい

最近、私が職場でよく口にする言葉に「登場人物を多くしたい」というものがある。

実は今の会社に入って何とか受託開発を軌道に載せたいと思っていたころ、自分で仕事を取ってきて、自分で作って、自分で納品に行って、自分で請求書作って、みたいなのがひどく恥ずかしかった。なので、あたかも製造する人は別に部隊がいるような風を装って打ち合わせしたりもしていた。ネットの調達システムで見積りを出す時に「営業部長」と名乗る自分と、承認する代表の自分がいたりした。

そのあと、私の他に役員二人体制になって三人で動くことが増えたけれど、三人だけではなくてもっとたくさんの人を表に出していきたいなという欲が芽生えてきた。なので、敢えて私は引っ込んで別の人を出す。そうすると、今までは私にすべての連絡が集中していたけど、他の人が窓口でやり取りが進むことも増えてくる。

外から見える登場人物をできるだけ多く、バリエーション豊かにしたいなあ。と思う。お客さんとの相性を見定めて、「ここは私が対応しよう」「ここは先方も若手が出てくるからこちらも若手が良いかな」などと調整できるようになった。それぐらいに、少しずつだけど会社の人材が揃ってきているのを感じる。

いろんな登場人物を出すことに慣れていない会社は、外から見えるキーマンが少ないので、その人に仕事が集中しがちになり、その人もたくさんの仕事を抱えがちになるのでは、というのもたまに心配になる。

そんなわけで、わが社においてはまだまだ私が前に出てしまうこともあるけれど、いろいろな人を前に押し出していって他社さんから「フィネットは人材の層が厚いなあ」と思ってもらえたら嬉しいなと夢見ている。