夫、料理を作り出すの巻

私の夫はこれまでの人生でほぼ料理をしなかった。正確に言えば二度ほどカレーを作ったことがある気がするが、それもまあ、しぶしぶやったにすぎない。

もともと夫は、「嫌なことは先送り」「事務処理は嫌い」「やれる家事は限られている」「漢字を覚えるのが嫌いなのでディスレクシアを名乗る(だが技術書は読める)」など、やらないと決めたことはやらないので、このまま年齢を重ねても人は変わらないだろうと思っていた。

が、夫、あと2年ぐらいで仕事を引退かなあという年齢になったからか、4月から週一度ぐらい料理を作るようになった。最初は一回限りのことかと思っていたが、4~5月でなんと4回も作ったので、これはもう習慣化する可能性がかなり高まっている。

4月は「回鍋肉」「キャベツのごま味噌炒め」「ジューシー豚バラスペアリブ風」である。一見、手の込んだ料理のように聞こえるが、合わせ調味料入りの味の素の「うちのごはん」シリーズを活用している。5月は「麻婆豆腐」を作った。これは丸美屋のマーボの素で作った。

「ジューシー豚バラスペアリブ風」はパウチに入ったたれに切った豚肉を入れて揉みこんでレンジでチンするだけであるが、それらしく出来上がった。「肉を切るのが難しかった」とのことである。

「麻婆豆腐」は絹豆腐を使ったのだが、「混ぜれば混ぜるほど豆腐がちっちゃくなってしまった」としょんぼりしていた。豆腐がそぼろっぽくなってしまったが、味に変わりはないのでありがたくいただいた。

なぜ配合調味料を使うのかと訊いたら、「調味料を組み合わせて味つけるす自信がない」とのことである。味見をして「ちょっと塩が足らないな」「もうちょっと味つけを濃くするか」などということが判断できないそうだ。

しかし、長い結婚生活の中で夫が定期的に料理を作ることなどなかったので、週一回といえど料理をしてくれるのは本当にありがたい。「ありがとう」「すごく美味しい」「ありがとう」「すごく美味しい」を繰り返している。このまま習慣化してくれれば本当に嬉しい。

ということで、人は変わる。変わるんだ!、と言いたいです。