トラ技オフ会に行った話

先週は横浜に出張。久しぶりのみなとみらいオフィス。関東メンバー何人かとも会えて、やはりリモートより対面の会話のほうがずっと社の人の気持ちや体調が理解できて良いなと思った。

さて、木曜の夜に何かイベントがあれば顔を出そうと出発前にIT勉強会カレンダーを見ていたところ、トラ技オフ会「究極のパワー半導体…ダイヤモンドMOSFETの実力」ミニ・セミナ~オンライン同時開催~」が開催されることが分かり、さっそく申し込み。人数が多ければ抽選となっていたが、無事に参加権を得ることができた。

巣鴨には初めて行く。ちょっと遠いなと思ったが山手線で行ける範囲なら楽勝だ。余裕を持って移動したつもりだが、けっこうギリギリになった。憧れのCQビル。無事に看板を見つけてホッとした。

参加条件は「トランジスタ技術/トラ技ジュニアの紙版またはPDF版を持参ください。」だったので、持参。

オフ会というか、実際はダイヤモンド半導体を研究している佐賀大学の嘉数誠教授の生のお話が聴けるのが目玉だ。当然ながら、参加者は工学部の学生や、半導体を扱うメーカーの社員さんとかであり、私はたぶん、完全に場違いな感じでそこにいたと思う。

嘉数先生はとてもおやさしくて、開催前にも少し会話をしてくださり、またご自身がトラ技を愛読する少年時代を過ごされたということで、分かりやすくパワー半導体のお話をしてくださった。

途中、休憩のときにトランジスタ技術編集長の上村さんが「目玉がひっくり返ったんじゃないですか?」ってすごい心配してくださったのだけど、まあ、しっかり分かったわけではなくても、一応しょぼしょぼ勉強しているし、この手の勉強会に出るのは慣れているので「大丈夫です!」と元気良く答えておいた。

途中、嘉数先生が取ったオシロの波形について、そちらのほうに詳しい人たちが「設定をこうしたらもっときれいな波形がとれるのではないか」みたいなアドバイスを逆に嘉数先生にしていたりもして、良い形で技術交流ができていたのがとても良い光景だった。

そのあと、参加者のかたからの発表もあり、特に「自宅半導体製造 ~成膜、エッチング、露光~」という「まだできてないけど、そのうち自宅でも半導体が作れると思っていろんな装置を作ってる。半導体が家で作れるって分かったら高嶺の花だと思っている半導体をカジュアルに扱えたりするかもね。そういう半導体の知識を普及させたいんだよ!」という気持ちのあふれた発表にはかなり感銘を受けた。

すべてが終わった後、さきほどの上村編集長と名刺交換しながら、「実は私は岡山で『えれくら!』という電子工作のコミュニティに参加しておりまして、ラズパイコンテストで入賞したりしたmyasuさん(ハンドル名)とは親しくさせていただいておりまして」というと「ああ。myasuさん!私たちもよくイベントのお手伝いをしてもらっていました」みたいな話をすることができ、多分、「まったくもって場違いな人がうっかり迷い込んだな」から「電子工作界隈のすみっこにギリ引っかかってる人がきたな」ぐらいに認識を改めてもらうことができたのではないかなと思った。ありがとう、「えれくら!」。ありがとう、myasuさん。また一緒になにかやりたいね。

ラズパイマガジンに次いで、日経Linuxも休刊。どんどん、私のような永遠の電子工作初心者が読める雑誌がなくなっていく中、トランジスタ技術にはこれからも初心者にも読める軽い記事も挟んでくれているので、読んでわくわくする雑誌としてこの先も存在して欲しいなあと思った。

終わったのは21時頃。まだまだそこにいる人たちのおしゃべりをそばで聞いていたい気持ちもあったが、翌日、有明でテニスを観戦予定だったので、私は余韻に浸る暇もなく巣鴨から有明へと向かったのであった。