あみだくじ

先週の土曜の19時に、私は自分の住む地域の公民館に向かった。年度末の会計報告を聞いたり、次年度の役員を決めたりするために、毎年3月に召集される。

会計報告は滞りなく終わり、次年度の役員選出の時間となった。例に漏れず、誰も立候補する人はいない。通常であれば輪番制を取るのがいいだろう。しかしうちの地域はそうはなっていなかった。次回から輪番制を取ろう。そうすれば揉めないし、次の番が回ってくる人は心の準備もできるね。ということで話はまとまった。

しかし、初回だけはそうはいかない。誰が輪番制に移行する際の最初の代表になるのか。

いろいろ譲り合った結果、直近で何の役もやっていない私を含む5名まで絞り込まれた。そのうち4名が女性、1名が男性である。中のひとりの女性などは「私はパソコンが使えないから」と震えるように言った。「私もパソコンが使えない…」と言ってみたかったがさすがに無理があるので黙っていた。こうなったらやりたくないのは誰も一緒だということで、「あみだくじ」で決めることになった。

5名の中の唯一の男性氏は、体型が少し丸っこくて、丸い眼鏡と髭がとても似合っている面倒見の良さそうな中年の人で、女性から言われてあみだくじを作り始めた。一人の女性が緊張感を緩和しようと思ったのか、唐突に男性に向かって「肌、きれいですね」と言った。男性は謙遜しながら「お風呂上りなもので」と答えた。その会話はとてもほっこりとして良かったのだが、だからといって「これからあみだくじを引く」という緊張感を大して緩和するものでもなかった。

そうして、あみだくじに見事当たったのは私だった。普段、くじというくじに当たったことはないというのに。

そのあとは、みんな、私にとてもやさしくしてくれた。